お弁当の「記念日」って何月何日?

1年365日それぞれの日付には、それはそれは多くの「記念日」が定められています。

「元旦」や「建国記念日」などの国民の祝日、「ひな祭り」や「七夕」などの伝統的な行事はもちろん、「バレンタインデー」のように企業・業界・団体が商材のPRを目的に定めたものまでさまざまです。

その数、なんと数千にも及び、カレンダーに書ききれるような数ではありません。

では、ここで、皆さんに質問です。「お弁当」の記念日は、何月何日かご存知ですか?

今回は、お弁当と記念日に関する豆知識をご紹介します!

 

「お弁当の日」という記念日は、今のところ存在しない

あまりに身近なお弁当だからこそ…?

食材や料理など「食」に関する記念日は、語呂や旬に合わせてたくさんあります。

そんな中、「お弁当の日」や「弁当記念日」といったネーミングの記念日が制定されているかと言えば、実のところ、今のところ、存在しません。

考えてみれば、「お弁当」の種類や捉え方はあまりに幅が広く、身近なものです。

学校や会社に毎日持っていくお弁当もあれば、自宅や職場に配達してもらうお弁当、会議や接待時の高級弁当までさまざまです。

1年365日あるとは言え、「今日はみんなでお弁当を食べよう!」と理由づけられる◯月◯日を決めるのは難しいのかもしれませんね。

 

「弁当の日」という食育キャンペーンはある

2001年に香川県の小学校から始まった取り組み

日付が定められた「弁当の日」という記念日はないけれど、「弁当の日」という食育のキャンペーンは全国展開されています。

2001年当時、香川県の滝宮小学校校長を務めていた竹下和男さんが提唱した「弁当の日」は、子どもたちへの教育の一環として始まりました。

献立・買い出し・調理・箱詰め・片付けまでを子ども一人で

普段は親が作ってくれるお弁当を、「弁当の日」だけは子ども自身がお弁当を作ります。

献立を考えるところからスタートし、食材の買い出し、ごはんやおかずの調理、箱詰め、片付けまで、ぜんぶ子ども一人に任せます。

料理が上手か下手かを比べたり、試すものではなく、子どもの自立心を芽生えさせ、食材や親への感謝の気持ちを育むことが目的です。

香川県から始まった「弁当の日」はどんどん広がり、今では全国2,000校以上で実施されています。

また、2017年からは農林水産省も「弁当の日」を推奨しており、職場のみんなでお弁当を囲む時間づくりを呼びかけています。

 

「駅弁の日」が4月10日になった理由

旅や出張の移動時間にお腹を満たせるお弁当

「お弁当の日」という名前の記念日はありませんが、お弁当に関連した記念日はいくつかあり、その一つが4月10日の「駅弁の日」です。

旅や出張の移動時間にお腹を満たせる駅弁は、行く先々の特色があり、種類も豊富。各地の有名な駅弁を集めたイベントが全国で開催されるなど、多くの人に親しまれているお弁当です。

日本鉄道構内営業会が制定した「駅弁の日」

「駅弁の日」は、日本鉄道構内営業中央会が1993年に制定した記念日です。

日本で初めて駅弁が発売されたのは、1885年7月16日の栃木県・宇都宮駅と言われていますが、どうして“4月10日”が選ばれたのでしょうか…。

漢数字の「十」と洋数字の「4」を組み合わせると…「弁」

『駅弁の日』が4月10日になった1つ目の理由は、春の行楽シーズンを迎えて、駅弁需要が高まるためです。

もう1つの理由は、語呂合わせと文字の形。弁当の「当(とう)」から日付は10日と決まり、漢数字の「十」と洋数字の「4」を組み合わせると、弁当の「弁」の字に見えることからでなんです。

 

4月10日に追加された「お弁当始めの日」

お弁当づくりが始まる新学期シーズンに合わせて

お弁当に関連した記念日は、もう一つあります。

その名も「お弁当始めの日」。日付は「駅弁の日」と同じ4月10日です。

制定したのは株式会社ニチレイフーズで、お弁当のおかずになる冷凍食品やレトルト食品を製造販売しているお馴染みの企業です。

「駅弁の日」の制定理由と同様に、語呂合わせと文字の形から4月10日が選ばれましたが、

「お弁当始め」の言葉通り、学校の入学式明けの時期とも重なります。

地域や学校によって入学式や始業式の日付はもちろん異なりますが、お母さんたちのお弁当づくりが本格的に始まるシーズンに、記念日が付け加わったのです。